RAIN

ざーざーと雨が降る夜。
ランボは人気のない路地裏で蹲り天然のシャワーを浴びていた。

…と言っても別に好きで浴びていたのではなく、体中が軋んで動けずにいただけなのだが。

「…はぁ、しくじった」

白い息とともにぽつりと呟く。

久々の仕事。
いつも失敗ばかりだけどそれでも自分を見捨てず、仕事を回してくれるボス。
今回こそはそのボスに報いるために必ず成功してみせると誓ったのにこのざまだ…。

「… … …」

悲鳴を上げる体をなだめる様にゆっくりと深呼吸を繰り返す。

すー、はー、すー、はー…
何度かそれを繰り返すとじょじょに落ち着いてくる。

「…今日は負けちまったけど、次は絶対に勝つ!!」

呼吸が落ち着くとランボは暗く淀んだ空にこぶしを突き上げ高らかに宣言した。

もっともっともっともっと強くならなきゃ。
じゃなきゃ、あいつに勝てない。
相手にもしてもらえない。

「このくらいの傷、かすり傷だ…」

自分を励ますようにが・ま・んと繰り返しながらランボはゆっくりと立ち上がりよろよろ危なげな足取りで一歩一歩、歩を進める。

次こそは…次こそは…

呪文のように呟きながら、暗い夜道をゆっくり、ゆっくり…
あの男へ一日でも早く近づけるように





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